- 01 Endless Beginnings ★
- 02 Synchronized Step II ★
- 03 十二神将 ★
- 04 Memory Of March ★
- 05 Circle ★
- 06 M.R. ★
- 07 I Remember Clifford ★
- 08 Message From Abyss ★
★＝配信曲（iTunesストア他）
STRL-009
¥3,000（税抜）
発売元：株式会社ラルゴ音楽企画
※全国レコード店、またはスタジオ・トライブ店頭でも販売しています。
『Endless Flow 収録曲』 解説 : 石井彰
- 1. Endless Beginnings
- 終わりの無い始まり。
終わりは新たな始まりを生んで行く。
このアルバムのコンセプトを象徴するナンバー。
トリオによるワルツのナンバーで、半音ずつ下降して行くコード進行で成り立っている。 - 2. Synchronized Step Ⅱ
- 前のトリオによる2003年のアルバム『Synchronicity』（EWE）で初めて演奏した「Synchronized Step」の続編とも言えるコンセプトのナンバー。「Synchronized Step」では、9拍子のパターンから全てが始まり、そのシンプルさが即興演奏の可能性を広げていた。
今回のPartⅡもトリオによる演奏。11小節というイレギュラーなサイズのフォームだが、それが徐々に変容して行き、高まり、混沌を迎える。テーマの3小節のリズムパターンと、違ったスパンのメロディーの組み合わせの捻れ具合が不思議な雰囲気を醸し出している。 - 3. 十二神将
- 数年来参加しているBoys Trio（金澤英明 B、石若駿 Ds）のアルバム『Reflection』で最初に発表したオリジナル。
十二神将とは、仏教における天部の神々で、薬師如来とそれを信仰する人々を守る大将。十二の方角を守っていることから十二支の守り神としても信仰されている。
この曲は奈良の新薬師寺の素晴らしい十二神将の塑像（土で出来た）の力強い姿を見て思いついた。
作曲の技法としては12音技法という1オクターブの半音全てを平等に扱うという1920年代に体系化された現代音楽の技法を、ベースパターンに用いている。
それらの音に対して十二神将の個々の性格をイメージしたサウンドを施し、その上で、どこかユーモラスなメロディーがトランペットによって奏でられる。
力強く、格好良く、頼もしい十二神将達に捧げている。
興味を持たれた方は是非とも新薬師寺を訪れて頂きたい（この曲を聴きながら）。 - 4. Memory Of March
- 亡き父の為に書いたバラードナンバー。
入院生活の間も桜を見るのを楽しみにしていたのだが、一昨年は父の夢は叶わなかった。父の80年の人生に敬意を表して…。
ツインベースによるクインテットの演奏である。
類家のトランペットの、感傷に流されない力強さが素晴らしい。 - 5. Circle
- カルテットによる変形ブルースナンバー。
Circleとは円の事。禅に於ける、丸を描いた「円相図」は悟りや宇宙の法則を象徴的に表現したと言われる。
音楽に於けるブルースというのは、人生観や思想をダイレクトに表現できる最もシンプルなフォーム。ここにも「12小節」という法則が流れる。
シンプルでありながら、無限の宇宙までも表現しようというのがブルースの精神なのだ。 - 6. M.R.
- 私の尊敬する作曲家の一人「モーリス・ラベル」に捧げた曲。彼の、ある有名曲のモチーフを幾つか拝借し、自分の作ったモチーフとランダムに再構築してみた。
原曲が解った方はお知らせ下さい！！ アルバム中で一番のキャッチーなファンク調の曲になったと思うのですが、いかがでしょう？！ - 7. I Remember Clifford
- サックス奏者のベニー・ゴルソンが天才トランぺッター、クリフォード・ブラウンの早過ぎる死を悼んで1957年に書いた有名なバラードナンバー。
トリオで度々演奏して来たが、初めてレコーディングしてみようと思った。シンプルにワンコーラスのみ。あまりに素晴らしいメロディーには余計な物を付け足したくならないものだ。 - 8. Message From Abyss
- 今アルバム中、最も実験的なトラック。江藤のフリーなドラムソロが大フィーチャーされる。地の底なのか、無限の太古からのメッセージなのか。
何かが生み出される根源的エネルギーをイメージしてみた。
類家のトランペットの音は、どこか遠くの世界からのシグナルのように鳴り響く。
このトラックでは私自身がチベット密教で用いられる法具のシンギングボウルとティンシャを演奏している。僧侶達の唱えるマントラ（真言）をイメージした音も作ってみた。
※2014年2月26日 川村竜はインフルエンザのため欠席だった
