TANASHI JAM Part2 @Studio TLive・29 Apr. 2007


「ジャズが好き。音楽が好き」という人たちが気軽に集まり、セッションを楽しむという「TANASHI JAM」、第2回目が先日2007年4月29日6:00PM〜西東京・田無のスタジオトライブで行われた。この日はゴールデンウィーク初日、しかも快晴。外に出なくちゃもったいないような気候の中、薄暗いスタジオに(笑)楽器を抱えた人たちが集まった。

トライブのスタジオは全部で3つ。Cスタジオは20畳ほどの広さがあるが、それでもたくさんの人が詰めかけて熱気ムンムン、エアコンはフル回転。定刻になり主催者・多田鏡子さんの軽いあいさつからこの日のセッションがスタートした。

まずは(若)楽団のメンバーによる演奏。
(Sax・若松孝、Piano・楠直孝、Bass・本川悠平、Ds・中島伸一の各氏・敬称略)
滑らかに空間を切り込むようなサックスの音に、ピアノとベースが絡んで行く。軽やかなドラムスが気持ちよくノリを刻んでいく。あっと言う間に10分ほどの演奏が終わった。

(写真クリックで拡大画像が開きます)

バンドリーダーの若松氏がこの日の司会進行を担当する。参加者リストを見ながら、まずはサックス奏者Junさんを指名すると、少々照れながらも立ち上がった。

曲は「ジョージア・オン・マイ・マインド」。サックスの他は(若)楽団のメンバーのまま、キイやテンポの確認だけでスグに演奏が始まった。そして、瞬く間にそのメロディーに、みんなが引き込まれていく。
演奏が終わると、拍手喝采が起こる。サックスのJunさんはにっこりと微笑んで、ステージから降りた。と言ってもスタジオ内で段差もなく、客席との境界が曖昧なのがこのセッションの特徴ではあるが。

続いて新たにピアノ、ドラム、ギター、サックスの演奏者が呼び出される。
先ほどの演奏と同じく、簡単な確認の後、小気味良いテンポの演奏がなんとなく始まった。
しかしそれは、ゆる〜いかんじの演奏ではなく、なんと言うか、知らずに身体が動くようなしっかりしたノリを感じさせる。センテンスごとのキメもばっちりで、思わず客席から拍手が起こる。各パートが順に熱のこもったソロを披露していく。

こんなふうに、プロもアマも入り乱れて、顔を合わせたばかりの人同士のセッションが展開されていく。しかしそこには、ぎこちない遠慮はなく、楽器を演る者同士の配慮がソロ奏者を引き立て、自分の番が来たら思い切りハジケる、そんなオトナの余裕のようなものが、演奏全体を包んでいるように思えた。

司会が次のメンバーを指名する。ピアノ、ベースはそのままで、ギター、ドラム、トロンボーンの奏者が入れ替わった。このあたりからは、演者と観客という境界がほとんどなくなっていた。客席からは声援(というかツッコミ?)が飛び、それを受けて爆笑が起こる。そして始まる演奏に、目を閉じて聴き入る人、ゆったりしたリズムに乗って揺れる人、どの人も楽しそうだ。

その後、メンバーが入れ替わりながら「God Bless The Child」「Just The Way You Are」「I'll Remember April」などのナンバーが演奏されていった。ドラムやピアノも、奏者が変わると同じ楽器でありながら音が変わる。そういう観点で聴き比べるのも面白い。ベースは5弦ベースだったり。そして何より、ボーカルの女性が加わって歌いだした途端に、場の空気が一気に艶やかで深みを帯びて来た。やはりヒューマンボイスは素晴らしいと思う。

客席では引き続き声援する人、手拍子や指パッチンで参加する人などで盛り上がっている。そんな中、主催者でボーカリストでもある多田鏡子さんが参入して軽く歌い、「このあと暫し、名刺交換やライブ情報などご自由に〜」とMCして休憩に入った。

第2部スタート。若松さんのアイデアで、ギター3人とベース、という組み合わせ。これは渋い!大人っぽいフリーな演奏と高度なソロの応酬に場内の空気が締まる。そして客席では誰ともなくスキャットが入り、スツールをパーカッションにする人などでハイテンションに。

このTANASHI JAMは、見るだけの参加も出来るが、一度でも体験したら、次回からはきっと演奏に参加したくなるはずだ。セッション大会の面白さは、やはり見ているだけより参加したほうが何倍も味わえる。ボーカルの人なら、自分が歌いたい曲の楽譜を持参して演奏者に配ればいいし、演奏にいまいち自信が持てない人でも、上級者たちが絶妙なフォローを入れてくれたり、何よりも全員が楽しむために参加しているので、少々のミスは却って盛り上がる(笑)。とにかく、人前で演奏する機会があまりない人には、ぜひ味わってもらいたい快感だ。

この日は、予想よりも参加者が多かったようだが、だいたい各人2回以上セッションに加わり、4時間に渡るジャムセッションもいよいよ終盤。最後の曲は多田鏡子さんがボーカルをとり、「いつもこの曲で閉める事にしています」と「You've Got a Friend」を歌いだした。というか、全員で合唱状態になる。楽しい! イエローのTシャツを着た多田さんは、なんだか24時間テレビの司会者のようだ。(笑)

そんな感じで、とてもハッピーにセッションはお開きとなった。日頃のストレスをさっぱりと解放した人たちが、「またね」を合い言葉に、三々五々帰路につく。今日初めて会った人たちが、もう友達になっていた。
(Text:T.U)

※TANASHI JAMは、定期的に行われます。
  参加ご希望随時募集中! 詳しくは→こちら をご覧ください。

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